今週は秋田市の郊外、秋田県林業研究研修センターのスギ採取園という場所にきています。
ここで何をしているのか?
県の委託でスギの球果採取という作業を行ってます。
ご覧のとおり丸い果実のようなものが見えますが、これがスギの球果です。
細かい話をするとスギは雌雄同株で雌雄異花というものになります。
言い換えると、おしべのみの雄花とめしべのみの雌花がどちらも同じ樹木に存在します。
そして雄花から花粉が出て雌花で受粉し、その雌花が成育成熟したものが球果になるわけです。
球果の採取は、まず高枝のこぎりを使用してアバウトに枝を落としていきます。
次に作業し易いように剪定鋏で不要な枝を落として軽トラに積み込んで・・
会社敷地の一角に設営した作業テント内に運びます。
球果は鋏で一個づつ切り取っていきます。
根気のいる作業ですが、シルバー人材センターから派遣された10名ほどのベテランさんに活躍してもらってます。
最後に一袋18Kg分を詰めて順次納品していきます。
県ではこの後、
乾燥作業を経て精選された種子が保存され、苗木の生産に使用していくと思われます。
ところでスギ苗木の作り方に関しては、「種」からつくる方法以外に「挿し木」で作る方もあります。
種からつくる苗は「実生苗」といい国内はほとんどがそうなんですが、九州などでは「挿し木」でスギの苗をつくることもあるようです。
挿し木は、杉の木の枝を採って土に挿し根を出させて1つの個体をつくる方法で、親と全く同じ性質でクローン苗ともいわれます。
人間に例えると、実生苗は2種類の遺伝子が混じる事で発芽する訳ですから、子どもができるようなものです。
似ているけど完全に一緒では無いですよね。
でも挿し木苗はその木をそのまま使う訳ですから人間の皮膚からクローンを作る様なもんでしょうか。
どちらが良いとかではなく、どちらもメリットデメリットがあるようです。
<実生苗>
種からですからコストもかかり生育がバラバラで安定した製品が採れるとはいえない。
でも自然の摂理に沿っており遺伝子的に多様性があるので一つの病気で全滅するといった確率は低いとか。
<挿し木苗>
同一遺伝子の苗ばかり使うので、生育が良く品質も向上。
ですが遺伝子が同じなので一つの悪要因で大きな被害を受ける可能性があるとか。
なんか動物世界と変わらない話で、考えさせられます。
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