造園科の卒業研究「作庭実習」に挑む ⑧鹿威し(ししおどし)の音色編

庭師の訓練

Yさんの庭のテーマが提示されました。

【テーマ】鹿おどしの音色を聴きたくて

待ってましたのテーマです。
私も是非とも音色を聴きたいです。

鹿威しの魅力とは何でしょうか。
鹿威しはもともと動物を追い払うための農具であったのですが、
その後、庭園における観賞用の装置として活用され人々の心を魅了しています。
動物にとっては不快な音でも、人間にとっては心地よい音であるとの
研究結果を昔読んだことがあります。
どこだかの住職は「鹿威しは静けさをより強調させる効果がある」と
語っていたと聞いたこともあります。
そして
「単体で音を聞くというよりは、滝の音や葉が擦れる音、せせらぎの音、
虫の音など庭園全体の自然音と鹿威しの音が調和しているところ
が魅力の 1 つだと考えられる。」と、
偉い学者さんが書いているのを読んだことがあります。

鹿威しの音色はしばらく聞いていませんでしたが、今回造園科に入校したことで久しぶりに聴く機会を得ました。
実習でいった弘前公園の植物園の中に、豪快な鹿威しがあったんです。
普通の鹿威しよりも竹のサイズがでかいため
竹の中の水を貯える容積も大きく、音のサイクルも長くゆっくり待った後に
勢いよく「カッコーーーン」と、それはいい音を聴かせてくれます。
実習作業中その横を通るとき、なんとなく鹿威しの音色を聴きたくてしばらく立ち止まって待っていたものです。

そんな日本人の心を魅了してやまない鹿威しですが
今回、Yさんの役割分担の指示で私が制作担当することとなりました。
これはまさに僥倖と言わずしてなんと言うのでしょうか。

というわけで、庭が完成しました。
こちらは庭の全体像です。奥の方につくばいと鹿威しが見えます。



以下は鹿威しの動画です。
初めて作成した鹿威しの音色をお聴きください。

以上、ご清聴ありがとうございました。


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