多彩な魅力を持つ素敵な庭 秋田市Iさん宅を訪問する

個人の庭

本日、秋田市内のIさんの庭を訪問してきましたので記録します。
  
  

閑静な住宅地に足を踏み入れると・・
最初に、綺麗に刈り込まれたイチイ(別名:オンコ)の生垣に目を奪われました。
絶妙の高さとボリュームで囲まれており、年月を経て味わいを増した基礎部分と相まって風格を感じます。
  
 


正門にきました。
迫力ある門被りのクロマツが出迎えてくれます。

玄関までのアプローチがほどよくカーブを描いてます。
道行く人から庭の全貌は見えませんが、「この先はどうなっているんだろう」と期待感が高まります。

アプローチに沿って季節の草花を植え込む花壇が作られてます。
管理がしやすそうだし、いい仕掛けだと思いました。
左奥はコハゼ(ナツハゼ)。
近隣の山に自生していた木でブルーベリーのような実をつけます。
そして右手前はユリの女王といわれるカサブランカ。
夏にはゴージャスな花と香りが、訪問客を喜ばせることでしょう。
  
  

Iさんの庭はアプローチを挟んで2つのゾーンに分かれてます。
  
 

まずは右側の庭です。
きれいに管理された芝生の周りを植栽が囲み、テラスで居間ともつながってます。
アウトドアリビングを楽しむ庭の印象です。
Iさんも「奥の椅子に座って飲むビールの味は最高」とおっしゃってました。

芝生には雑草一つなく、思わず裸足で歩きたくなります。
芝生エッジも専用トリマーで綺麗に仕上げられてます。
  

テラスにはサツキの盆栽もあり、大輪の花を咲かせてました。
   

芝生の奥で存在感を出す、シャクナゲの大株。
残念ながら花は終わってました。
  

クロマツの幹をドーナツ状に取り囲む、キリシマツツジ。
ピンクの花と赤い花を混植し、刈り込んで仕立て上げたとのことです。
(こちらも花が見れず残念)
このアングルだと、手形山の一角が借景になるのも面白いです。
   
  

Iさんの椅子に私も座らせてもらい、ビールを飲んだ気分に浸ります。
ほどよくプライバシーが保たれ、道行く人の気配も感じられます。 
  
  
  
  
一息ついたところで、アプローチの左側の庭の話に移ります。
  

   

最初に和室から庭の様子を伺います。
石灯籠や飛石、コケ等・・・和風の庭です。
   

縁台に出て庭を見る。
ナツツバキの白い花が咲き始めてます。
その両側に山に自生していたコハゼが植えられてます。
いずれも株立ちの自然樹形で雑木林の風情を感じます。

そして蹲踞(つくばい)もあり・・・
ここは茶庭(露地)をイメージされていることが分かります。

  
  

玄関アプローチから茶庭に向かう場合は、この飛石を歩きます。
この、途中に二本の平行した板石を使う手法は「いかだ打ち」と呼ばれる伝統的なものです。
この飛石を見てたら、かつての造園科の授業を思い出しました。
千利休は「用を六分、景を四分」で飛石を配置したといいます。
歩きやすい実用的な側面は6割程度でいい。
残りの4割は、行先をはぐらかし石の変化で歩みを迷わすくらいが、移り行く風情に心をとめられるというわけです。



  

蹲踞まで来ました。
手水鉢(ちょうずばち)を取り囲むコケが圧巻です。
これも山で自生していたものを、ご自身で貼ったとのことです。
左側の大きな葉は山野草の女王と呼ばれる「シラネアオイ」。
地域によっては絶滅危急種に指定されている貴重な種で、花言葉は「完全な美」。
是非とも花を見たくなりますね。


 
  

初めて訪問させていただいたIさんの庭。
・アプローチを楽しむ庭
・アウトドアリビングを楽しむ庭
・茶庭を彷彿とさせる和風の庭
それぞれの魅力がほどよくミックスされた素敵なお庭でした。
今度は花のいい時期に再訪したいです。

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