荘内地方に行く機会があり、ついでに酒田市内の庭園に行ってきました。
35度を超える猛暑日の中、ふらふらになりながら足を踏み入れたのは
「本間氏別邸庭園 鶴舞園(かくぶえん)」。
本間氏とは
酒田は、江戸から明治にかけて西の堺、東の酒田と称されるほど大繁栄した北前船の寄港地。
その酒田繁栄の立役者で日本一の大地主と呼ばれた大庄屋・豪商が本間氏。
「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」と謳われたのは有名で
要するに庄内藩主よりも本間氏の方が偉かったというたとえです。
30年くらい前の話ですが、
酒田市内のお年寄りは、今でも本間家の人に対し「本間様」と呼んでいるという話を聞いてびっくりしたことがあります。
ちなみに、ゴルフクラブの老舗本間ゴルフは本間家の末裔が創業した会社です。
(残念ながら現在は中国資本に)
そういうわけで、酒田市内には本間家ゆかりの観光遺産がたくさんあるんですが
庭園として保存されているのが鶴舞園です。
文化10年(1813年)に本間家四代・光道が築造。
鳥海山を借景とする池泉廻遊式庭園で、池の中島の松に鶴が飛んできたことから「鶴舞園」と名付けられたとか。
鶴舞園は、本間美術館に併設されています。
美術館の右側から庭園内に入っていきます。
園路を進んでいくと、味わい深い建造物が見えてきます。
これは「清遠閣(せいえんかく)」。
庄内藩主が領内巡視をする際の休憩所としてつくられ、その後は酒田の迎賓館として使用されたようです。
清遠閣入口となる、中門付近に来ました。
実はこの位置に鑑賞ポイントが2つほど存在します。
1つ目は、借景の鳥海山を望むポイント。
中門から庭の方を見た状態です。
肉眼だとくっきり見えるのですが、1倍のカメラ画像ではよくわかりません。
カメラの倍率を拡大して再撮影。
鳥海山が見えてきました。
庭の緑が濃すぎる時期にきてしまいました。
ツツジの花が咲き、鳥海山の残雪が映える初夏のころにも見てみたいものです。
2つ目は、中門の横に鎮座する山灯籠。
なんとも素朴で魅力的な灯籠です。
山灯篭には三日月型の穴があいており、ここを覗いても鳥海山が見えるようになってます。
遊び心があって、いいと思います。
清遠閣にも入ってみます。
1階は観光客が多く撮影しづらいため2階に。
椅子が2脚 、庭に向かって置かれています。
椅子に座って庭を見る。
二階のこの部屋は大正14年、皇太子東宮(昭和天皇)が宿泊された部屋。
窓際から庭を見る。
あまりに暑いので、早々に帰ります。
復路は池の周囲の園路を回遊しながら鑑賞します。
庭から振り返って、清遠閣を見る。
ここは、「秋に美しい紅葉通り」と呼ばれる鑑賞ポイント。
やはり真夏は厳しい。
次は初夏か秋に来ることにします。
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