彦根藩井伊家中屋敷「ホテルニューオータニ庭園」に行く

ホテル・旅館の庭

以前、以下の記事で大名庭園について書きました。

その後中々行けてませんでしたが、今回2つほど見てきましたので記録しときます。
   
まずは彦根藩井伊家の中屋敷「ホテルニューオータニ庭園」。
江戸初期に加藤清正の下屋敷があって、その後に井伊家に引き継がれました。
井伊家は江戸幕府にあって強大な勢力を持った家柄で、大老職をつとめた井伊直弼が有名です。
この土地はその後、伏見宮邸宅となり第二次大戦後、ホテルニューオータニ創業者が買い取ったとのことです。


ホテルニューオータニは、「ガーデンコート」 「ガーデンタワー」「ザ・メイン」の3つの建物からなり、敷地が広大かつ高低差があって建物間が複雑に繋がってて慣れないと迷いそうになります。

よって定番といわれるコースで訪問してみます。
赤坂見附駅 の紀尾井町口を出てすぐの「弁慶橋」から「ガーデンタワー」と「ガーデンコート」が見えます。
釣り堀がいい味出してます。
目の前にせまる緑は、位置的にホテル庭園の樹木かと思います。
  
   

橋を渡ってすぐのガーデンコートから館内に入ります。
   

エレベーターで6階にあがったら、長い廊下を通って、「ガーデンタワー」の「ガーデンラウンジ」を目指します。
    

「ガーデンラウンジ」の右横に「日本庭園」への入り口があります。

扉の先の階段を降りていくと・・・・
   

庭が見えてきます。
いったいここは何階なんでしょうか?よくわからなくなります。
  
    

下に降りて庭の全体図を見る。
右下の赤玉石から左回りにざっと廻ってきます。

入り口付近で存在感が凄い「赤玉石」。
佐渡島の金山より運ばれた高価な庭石で、なんと砕くと金が出てくるとか。
現在は門外不出という佐渡の産です。
  

枯山水も作られてました。
砂紋を見ると造園科時代の作庭実習を思い出します。
  
 

左手に見えるガーデンタワー。
そこに向かって滝が流れ落ちていると思われます。
  

奥に見える立派な竹林。
日本料理の「なだ万本店 山茶花荘」が営業しています。
   

池の真ん中に見えるのは、江戸時代からの大木の化石。
木の根がそのまま化石になった珍しい石です。
   

池の鯉は約350匹。
池には、サギや鴨も渡ってくるそうです。
 

池越しに「ザ・メイン」方向を見る。
  
 

茶室に向かう露地。
奥には創業者・大谷米太郎の銅像も見えます。

庭を一周し、大滝が見えてきました。
  

滝に向かう園路を彩ってる花はなんでしょうか。
  

セネッティというサントリーの園芸品種です。
冬と春の2度咲きで、サイネリアという花を品種改良したもののようです。

彩りがあるのはいいんですが・・・
夏越しはしない1年草のようですので、毎年植え直してるんでしょうか。
なんとなく歴史ある日本庭園にこの商品の植え込みは、ちょっと似合わない気もします。
   

大滝まできました。
もちろん大名庭園時代にはなかったものです。
「ガーデンタワー」が建った際、赤坂側と四谷側の5階層分の高さの違いを活かして造られたそうです。
その落差は、およそ6メートルとか。
ここが都心のホテルの敷地内とは驚きです。

  

大滝の右手のツツジ群。
その奥に見えるフロアーが「ガーデンラウンジ」です。

ちょっと駆け足でまわりました。
歴史的に価値のある見どころはたくさんあります。
ただ純粋に庭としてどうか? というと、正直物足りなさも感じました。
気になった点としては・・・
・大名庭園時代の説明資料がほとんど準備されていない。
・コンクリートの殺風景なエリアが多く興ざめする場所がある。
・園路にサントリーの園芸商品を植え込むのは違う気がする。
・なんとなく庭園全体に元気がない気もしました。
 (あくまで感覚的な勝手な感想です)
  
大変失礼なことを書いてしまいました。
私が「大名庭園」というキーワードで勝手に期待値を上げてしまったと思います。

後で冷静に考えて見ると、ここの庭はホテルの中から愉しむことを第一に考えられていることかと思います。(大名庭園だったのは、はるか昔ですから)
ホテルの名誉のために、公式サイトから素晴らしいガーデンビューの画像を紹介させて頂きます。

「ガーデンラウンジ」から見る庭。
  
  

「ガーデンタワー」の客室から見る庭(と推測します)。
  
  

「ガーデンタワー」の客室から見る庭(と推測します)。
   

凄いです。
いずれも非日常間が半端ないです。
私が今回見た景色は、庭園のほんの一部でしかないことは明白です。
是非400年の歴史を有する日本庭園で、魅力あるガーデンビューを体験して頂きたいです。

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